語学用の単語帳アプリを探してるならAnkiを使うべき!

Yasushi Ihata
10 min readFeb 11, 2018

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※この記事は、英語勉強してて単語を覚えるのに苦労してる方に向けて書いています。

外国語を勉強する上で、単語をしっかり覚えて行くこと(以後、ボキャビル)は不可欠です。でも、なかなか継続できない。基本的には退屈なプロセスだし、記憶が定着しているかどうかが分かりにくく、努力の成果を実感しにくい。そんな人にオススメしたいのがAnkiというアプリです。

Ankiは、オープンソースのクラウド単語帳で、Spaced repetitionという記憶テクニックに基いて動的に表示内容(順番というべきか)が変わる仕組みを持っています。この仕組みがすごく大事なんです。

↑に細かな仕組みが書いてるんですが、要は「僕が以前その単語を確認した日時とその時の習熟度を鑑みて、記憶定着のために一番効率的なタイミングでもう一度表示する」みたいな方法です。大規模な記憶定着に向いているとされていて、ボキャビルに使うのに適した仕組みとして、50年以上前から概念としてあったみたいです。Ankiはこの仕組みを採用しています。

ちなみに、この仕組みを採用しているであろう単語帳アプリは結構あります。国内サービスで言えば、ビズリーチさんが出しているZuknowとか、

mikanとかも同じ仕組みを採用してるんじゃないですかね。(予想です)

海外のサービスでいえば、StudyBlueってサービスもあります。僕は一時期こっちを使っていました。

上記のものでも良いと思うが、僕としては以下のポイントで考えると、Ankiは相当良い線行ってるアプリだなと思っています。

  1. UIに大きな不満がない
  2. 自分の単語帳を一括でインポートできる
  3. 一つのカードに保存できるデータフォーマットの数が多い
  4. オープンソース。小さな企業のサービスよりも安心する
  5. 対応プラットフォームの種類が多く、同期も簡単
  6. Ankiのプラットフォームから既成の単語帳ダウンロードすることができる

という感じでしょうか。

以下、上記についての詳細です。

1. UIに大きな不満がない

これすごく重要です。1日あたりで使う時間は短いかもしれませんが、それでも毎日使うものなので、UIで問題があれば使い続けられません。ただでさえボキャビルなんてめんどくさいわけなので、せめてUI面でのストレスは最小限にしたいものです。

後述するように、Ankiが対応しているプラットフォームはいくつかあるので一概には言えないんですが、ここではメインで使うことになるであろうiPhoneアプリについて書きます。

アプリを開くと、以下のように単語帳リストが並びます。このアプリでは単語帳はデッキ(deck)と言う単位で管理されます。僕は↓のようにその単語の種類によってデッキを分けてる感じです。

で、単語確認画面はこんな感じです↓。これが単語帳で言う表側にあたります。

で、タップすると以下のように正解(裏面)が出ます。たったこれだけのこと、非常にシンプルです。

回答は画面の下側にある3つの選択肢から選びます。かなり自信があれば青色を選択、全くわからなければ赤色を選択する。その間位の感覚なら、緑色を選択する、みたいなイメージです。ここで何を選んだのかに応じて、その単語を次回確認するタイミングが決まります。かなりサクサク動くので使っていて気持ち良いです。

その日に確認すべき単語全て確認完了すると、以下のように表示されてその日はそれで終了となります。毎日なんとかここまで頑張るイメージです。

ずば抜けて秀逸!と言うわけではないんですが、使っていてストレスになることもありません。僕はこれをiPadでも使っています。そっちも似たようなUIでいい感じです。

2. 自分の単語帳を一括でインポートできる

僕にとってはこれが最重要ポイントかもしれないです。英単語については、大学受験の時に使っていたものも含めて過去に使っていた単語帳の数が膨大なので、それを手間なく全部インポートできることが、単語アプリの必須条件です。それくらい、過去に作った単語帳の質には誇りを持っています。

Ankiではこの作業はPCが必要になりますが、可能です。これについては使えば分かるので詳細は省略します。

3. 一つのカードに保存できるデータフォーマットの数が多い

これが大事であることには、英語の勉強をしているときは全然気づかず、中国語の勉強を始めた時に初めて気づきました。これ、すごく大事です。

単語帳アプリとして、カードの表と裏にテキストが入力できるの当たり前のこととして(テキストのフォーマットもつけることができる)、以下の通り音声と写真も入力出来ます。またその表示位置に関しても細かい制御が出来ます。実際にカードを作るとこの辺の細かな気配りはすごく助かることが分かると思います。

※中国語については発音に自信がないので、自分的に注意して発音したベストな音声をAnkiに入れています。

で、実際のカードはこんな感じに表示されます。

これだけだと少しわかりづらいと思うんですが、このカードが表示されたタイミングで音声も同時に流れています。スムーズで非常に良いです。

4. オープンソース。小さな企業のサービスよりも安心する

これについては気にする人はあまり多くないかもしれないんですが、個人的には非常に重要なポイントです。

ボキャビルを本気でやると、海外ドラマで気になったフレーズとか新聞を読んでて気になったフレーズとか、いろんなものの蓄積によって単語帳が構成されていき、その単語たちが自分の血肉となっていく感覚があります。僕にとっては、過去に貯めてきた単語はそれくらい大事なものなので、僕は銀行にお金を預けるような感覚で単語帳というものを捉えています。

僕が上記で挙げたサービスを使わないのは、これが主な理由だったりします。正直に言うと、収益があまり安定していない企業が作ったサービスはいつまで続くか分かりません(変化の激しい時代ですから)。彼らの事情でサービスを閉じる可能性が普通にあるわけです。で、そういうところにはできるだけ預けたくない。

Ankiはオープンソースなので、このシステムを前提にしたれる派生サービスがたくさんあります。そして、それらのサービスの間には互換性があり、データのインポートやエクスポートも結構簡単に出来ます。(ちなみに使い勝手で言うと、派生元のこのサービスが1番使いやすいです)なので、このAnkiを中心として出来ているエコシステムがいきなり消えることは考えにくく、安心できます。

5. 対応プラットフォームの種類が多い

これも結構重要なポイントです。僕の場合は基本的な確認はiPhoneで行い、データの一括インポートや、大規模な一括処理はMacBookでやっています。

以下が対応しているプラットフォームの種類です。ここまで対応するのは結構凄いと思います。

6. Ankiのプラットフォームから既成の単語帳をダウンロードすることができる

最後にこれです。自分が気になるオリジナルの単語帳作るのも良いですが、正直学習の初期段階とかだとそういう手間はめんどくさいです。

Ankiは、プラットフォーム的な側面も持っています。各Ankiユーザが勝手に単語帳アップロードできて、かつその単語帳にユーザの評価が溜まって行きます。どれくらいの評価を、どれくらいの人数の人がつけているのかは以下のページですぐに確認出来ます。ちなみに以下は中国語の単語帳リスト。単語帳の横にある青と赤のグラスが評価の内訳で、その右にあるのが評価をしている人数です。これめっちゃ便利です。

僕の場合は、中国語は自分で単語帳作るのがめんどくさいので、既にできているものを繰り返し勉強しています。

大体こんな感じの理由で、このAnkiと言うプラットフォームに強い愛着を感じています。

僕は、毎日ランチの後の10分くらいだけ時間を測ってガーッと確認しまくる感じで使い続けてます。

ちなみに、自分が作った単語帳は一部以下に公開しているので、もし興味があれば。

↓は、新聞とかニュース聞いてて気になったものをメモしたやつです。

↓はその名の通り、英検1級の受験勉強の時に使ったやつ。※当時は「こんなマニアックな単語使わないだろ」って思ってたけど、今思うとこの一級単語のお陰で、新聞とか洋書をストレス無く読めるようになった。

ボキャビルに本気で取り組みたい方には心底オススメします。是非!

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Yasushi Ihata

In charge of marketing @Atrae Inc in Tokyo. Loves sci-fi novels, coffee, fashion and traveling.